
この記事の要点
睡眠時無呼吸症候群の多くは、眠って筋肉がゆるんだときに、のど(気道)が狭くなって起こる「閉塞性」のタイプです。肥満は大きな要因のひとつですが、あごが小さい・扁桃が大きいといった骨格や形の特徴があると、やせている方にも起こります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の多くは、眠っている間にのど(気道)が狭くなり、空気の通り道がふさがれることで起こります(閉塞性睡眠時無呼吸)。なぜ気道が狭くなるのか、その背景にある要因を整理します。
いびきはなぜ起こる?
いびきは、眠っている間にのど(咽頭)が狭くなり、そこを空気が通るときにのどが振動して出る音です。眠ると、のどを支える筋肉がゆるむため、起きているときよりも狭くなります(日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q14. 夜、いびきをかく、と言われました。」より)。
のどを狭くする要因には、あごが小さいといった骨格、肥満、飲酒や睡眠薬、扁桃・アデノイドの腫れ、鼻づまりなどがあり、下で説明する睡眠時無呼吸症候群の原因と多くが重なります。飲酒したときやかぜのときだけのいびきは、おおむね心配ないとされています。一方で、毎晩のように大きないびきが続く、いびきが途中で止まると言われる、十分に眠っても日中に眠気がある、という場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確かめることをおすすめします。見分け方は SASの症状 で説明しています。
主な原因とリスク要因
1. 肥満
最大の要因のひとつです。首まわりやのどの内側に脂肪がつくと、気道が狭くなりやすくなります。体重の増加とともに症状が悪化することも多く、減量は重要な対策になります。
2. 骨格・あごの形
あごが小さい、下あごが後ろに引っ込んでいる、といった骨格の方は、もともと気道が狭く、無呼吸が起こりやすい傾向があります。日本人を含むアジア人は、欧米人と比べてこの骨格的な要因の影響が大きいといわれています。
3. やせていても睡眠時無呼吸になる?
はい、やせている方や標準的な体型の方にも起こります。「太っていないから大丈夫」とは限りません。骨格の問題に加え、扁桃やアデノイドの肥大、舌が大きい、鼻づまりが慢性的にある、などの要因があると、標準的な体型の方でも発症します。
体型から「自分には関係ない」と考えて、受診が遅れることがあります。いびきや睡眠中の呼吸の停止を指摘された方、日中に強い眠気が続く方は、体型にかかわらずご相談ください。検査の方法は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査の流れと費用で説明しています。
4. 加齢
年齢を重ねると、のどまわりの筋肉がゆるみやすくなり、無呼吸が起こりやすくなります。
5. 性別・ホルモン
男性に多い病気ですが、女性も閉経後はリスクが高まります。女性ホルモンには気道を保つはたらきがあると考えられているためです。
6. 飲酒・喫煙・睡眠薬
- 飲酒:のどの筋肉をゆるめ、いびきや無呼吸を悪化させることがあります。
- 喫煙:気道の炎症やむくみにつながり、狭くなる一因になると考えられています。
- 一部の睡眠薬・鎮静薬:筋肉をゆるめ、症状を悪化させることがあります。
7. 鼻の病気
アレルギー性鼻炎や鼻中隔のゆがみなどで慢性的に鼻がつまると、口呼吸になり、無呼吸が起こりやすくなります。
放置せず、原因に合った対策を
原因は人によって異なるため、まずは検査で状態を把握することが大切です。肥満が主な要因であれば減量が、骨格や鼻が要因であればそれに応じた治療が選択肢になります。
これらの要因が積み重なると、高血圧や心疾患などのリスクも高まります。詳しくは 放置するとどうなるか をご覧ください。検査については 検査の流れ、治療については 治療法 をご参照ください。
睡眠時無呼吸症候群の全体像は 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは で解説しています。
監修:
院長 松江修平
【この記事の監修】
松江 修平(まつえ しゅうへい)
たちかわファミリークリニック 院長
杏林大学医学部卒業後、杏林大学医学部附属病院 循環器内科などで診療に従事し、2008年より現職。内科・循環器内科・呼吸器内科を標ぼうする当院で、睡眠時無呼吸症候群の検査からCPAP療法の継続管理まで、力を入れて取り組んでいます。日本内科学会・日本循環器学会 会員、日本医師会認定産業医。
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